孤立しがちな“夏休みの子どもたち”に、スポーツと笑顔を
2025年夏、神奈川県とコナミスポーツ株式会社が共同で実施する「こどもの居場所づくりモデル創出事業」において、新たなスポーツ体験プログラムが注目を集めています。
その中心にあるのが、アメリカ発祥の新感覚ラケットスポーツ「ピックルボール」です。
ピックルボールといえば、テニス・卓球・バドミントンを融合させたユニークな競技で、日本でもシニア層を中心に急速に人気が広がっている注目スポーツ。しかし今回は、「小学生向け」「福祉・教育支援」とのコラボという新たな文脈で話題となっています。
「こどもの居場所」って? なぜ今、注目されているのか
「こどもの居場所」とは、放課後や長期休暇中に子どもたちが安心・安全に過ごせる空間や取り組みのこと。
近年、以下のような社会背景を受けて、多くの自治体がその確保に乗り出しています。
- 共働き・ひとり親世帯の増加による“昼間の孤立”問題
- 経済格差による「学習機会・体験機会」の分断
- 夏休み中の栄養不足や運動不足
こうした課題に対応すべく、神奈川県では**「モデル事業」として民間企業との連携を開始**。その一環として、コナミスポーツが運営するフィットネスクラブや温水プール施設を活用し、子どもたちに“居場所”と“体験”を提供しています。
プログラムの中身は? ピックルボールを含む多彩な体験
このモデル事業では、神奈川県内の小学生を対象に、以下のような1日完結型のプログラムを提供:
- スポーツ体験(ピックルボール・プール・モルック・卓球など)
- 昼食提供
- 宿題・学習時間
▶ 実施日・会場(抜粋)
日程 | 会場 | 主な体験 |
---|---|---|
7月24日(木) | コナミスポーツクラブ三ツ境 | ピックルボール・昼食・学習 |
7月31日(木) | 平塚市余熱利用施設 | プール・モルック |
8月7日(木) | 三ツ境 | ピックルボール・卓球 |
8月21日(木) | 三ツ境 | ピックルボール・自由遊び |
※参加費は無料(食事つき)。
※定員:各会場30名。
子どもたちとピックルボールの相性は抜群!
導入種目の中でも特に注目されているのが「ピックルボール」。
その理由は以下の通りです。
安全で簡単、誰でもすぐできる!
- 軽量なパドルと、プラスチック製の穴あきボールでラリーするだけ
- ラケット競技未経験でも数分で楽しめる
- 広すぎないコートで、走りすぎない=ケガも少ない
競争よりも“笑顔とつながり”が生まれる
- 勝ち負けにこだわらず、ラリーを楽しむ時間が中心
- 学年・性別を超えて交流できる
- 「できた!」の体験が子どもに自信を与える
地域とスポーツのハブになる可能性
この取り組みが画期的なのは、「スポーツ施設をただ貸す」のではなく、コナミ側が“教育的価値”を意識した体験設計を行っている点です。
1. 民間のノウハウを地域支援に活用
- スポーツ指導員・トレーナーが「安全・楽しい」を両立したメニューを設計
- 多様な種目に対応する施設の活用
2. “共育”の場としての広がり
- 地域の学生ボランティアや高齢者の協力も検討
- 「こども×おとな×スポーツ」が共に育つ場所へ
3. ピックルボールが“地域スポーツの共通言語”に?
- 幼児〜高齢者まで一緒にできる
- 学校、福祉施設、自治体など導入のハードルが低い
実際の声:「はじめてでもできた!」「楽しかった!」
保護者や参加した子どもたちからも多くのポジティブな声が届いています。
「最初は恥ずかしそうだったけど、あっという間に笑顔でラリーしていた」
── 小3女子の母
「ふだん運動しないけど、ピックルボールならできた。楽しかった」
── 小5男子
「学校とは違う友だちができた」
── 小6女子
全国の自治体にとってのモデルケースに
神奈川県とコナミスポーツの取り組みは、教育・福祉・地域連携における新たなロールモデルと言えるでしょう。
ピックルボールは「競技スポーツ」だけでなく、“社会インフラ”としての役割も担える可能性を秘めています。
これを機に、地域の体育館・公民館・放課後デイなどで、もっと気軽に「ピックルボール×子ども支援」が広がることを期待したいところです。
まとめ|“こどもたちの笑顔”が広がる未来へ
スポーツは、人と人をつなぎ、笑顔を生み、成長を支える力があります。
「こどもの居場所」をテーマにした今回の取り組みは、
単なるイベントではなく、地域に根ざすピックルボールの未来像を示す事例ともいえるでしょう。
ピックルボールナビでは、こうした“地域に根ざした活用例”を今後も積極的に紹介していきます。